歯周病を特に気をつけたい人

歯周病と糖尿病には密接な関係があることがわかっています。
糖尿病があると体の免疫力が低下し、感染に対する抵抗力が弱まるため、歯周病が進行しやすくなります。また、歯周病が進行すると歯肉が炎症を起こし、血糖値をコントロールするホルモンであるインスリンの働きを悪くしてしまいます。これにより、糖尿病がさらに悪化するという悪循環が生まれます。
つまり、糖尿病の管理は歯周病の予防・治療に、歯周病の管理は糖尿病のコントロールに役立つとされています。

妊娠中の歯周病リスクとその影響 妊娠中は、ホルモンバランスの変化により、歯肉に炎症が起こりやすくなります。
具体的には、妊娠中のエストロゲンやプロゲステロンが歯肉に影響を及ぼし、炎症が発生しやすい環境が整うためです。その結果、歯肉炎や歯周病が進行しやすくなり、症状が悪化する場合もあります。
また、つわりの影響で歯磨きが難しくなることで、口腔内の衛生状態が悪化しやすくなり、さらにリスクが高まります。このため、妊娠中も定期的な歯科受診を行い、適切なケアと指導を受けることが、母子の健康を守るために大切です。

歯周病は早産や低体重児出産のリスクを高めることがわかっています。。
歯周病により発生する炎症物質が血流を通じて全身に広がり、子宮に影響を及ぼすことで、子宮収縮や早期の出産を引き起こす可能性があります。
さらに、歯周病菌が羊水にまで到達することが確認されており、このことも胎児の健康に影響を及ぼすリスク要因となります。
早産や低体重児出産は、赤ちゃんの健康に影響を及ぼすことがあるため、妊娠中の歯周病予防は重要です。
妊娠中は適切な歯周ケアを心がけ、早めに歯科治療を受けることをお勧めします 。

喫煙は歯周病における最大のリスク因子とされています。
タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は、歯茎の血流を悪化させ、酸素や栄養が歯周組織に届きにくくなります。そのため、喫煙者の歯茎は血行不良で乾燥し、炎症が起きていても出血しにくい状態となります。この影響で歯周病の症状が目立ちにくくなり、進行が分かりづらく、気づいたときには歯周病がかなり進んでいることが多いのです。喫煙によって歯周病の治療も効果が出にくくなるため、禁煙が歯周病予防と治療のためにとても重要です。

喫煙者は非喫煙者に比べて2～8倍も歯周病にかかりやすいと報告されています。
さらに、歯周治療に対する反応も喫煙によって低下するため、治癒が遅れやすくなります。しかし、禁煙することで歯周病のリスクが低下し、治療効果も向上することがわかっています。禁煙を行うと血流が改善され、歯茎の状態が良くなり、歯周病の進行が抑えられるだけでなく、治療後の健康維持にもつながります。歯周病を予防し、より良い治療効果を得るために、禁煙支援を受けることをおすすめします 。

歯ぎしりや食いしばりは、歯や歯茎に大きな負担をかける習慣です。
これらの動作によって強い圧力がかかり続けると、歯周病が進行しやすくなります。
特に歯周病が進んでいる場合、支えとなる骨が減少し、歯が動きやすくなるため、食いしばりなどによってさらに歯茎や歯周組織に負担が増します。このため、治療効果が出にくくなり、歯周病の進行も早くなります。無意識の食いしばりがある方には、歯科医師が提案するマウスピースの装着が効果的です。